土地家屋調査士法により、「土地家屋調査士は、他人の依頼を受けて不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査、測量または申請手続きをすることを業とする。」とされております。表示の登記とは、法務局備え付けの登記簿の、表題部に関する登記です。表題部には、土地については、所在、地番、地目、地積が、記載されております。
建物については、所在、家屋番号、種類、構造、床面積が、記載されております。これらは、いづれも、不動産の、物理的現況を、登記簿に文章化させ、反映させたものです。土地については、表示、分筆、地積更正等の登記の申請の際に、測量図面が添付されます。建物の表示登記の申請の際には、建物図面が、附属書類として添付されます。
私たち土地家屋調査士は、不動産の物理的状況を正確に登記記録に反映させるために、必要な調査及び測量を行っています。具体的には、不動産(土地又は建物)の物理的な状況を正確に把握するためにする調査、測量の事を言い、例えば、土地の分筆登記であれば、登記所に備え付けられた地図や地積測量図等の資料、現地の状況や隣接所有者の立会い等を得て公法上の筆界を確認し、その成果に基づき測量をすることになります。
不動産の表示に関する登記は、所有者にその申請義務が課せられています。しかし、その手続きはとても複雑で一般の方には理解しづらい事があります。
そこで、私たち土地家屋調査士は、依頼人の求めに応じて不動産の表示に関する登記の申請手続を代理します。不動産の物理的な状況を登記簿に反映するために、調査・測量の結果を踏まえ、建物を新築した場合における建物の表示の登記、土地の分筆の登記等の登記申請手続を行っています。
審査請求とは、不動産の表示に関する登記についての登記官の処分が不当であるとする者が(地方)法務局長に対して行う不服申立てをいいます。
筆界特定の手続※1とは、土地の所有者の申請により、登記官が、外部の専門家の意見を踏まえて筆界を特定する制度における手続をいう。
※1筆界特定の手続とは、土地の一筆ごとの境界(筆界:ひつかい)を決定するための行政制度のことである
筆界特定登記官が土地の所有権の登記名義人等の申請により、申請人・関係人等に意見及び資料を提出する機会を与えた上、外部専門家である「筆界調査委員」の意見を踏まえ、筆界の現地における位置を特定する不動産登記法上の制度である。
私たち土地家屋調査士は、筆界の専門家として「筆界調査委員」を多数輩出しています。
この業務については、民間紛争解決手続代理関係業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した土地家屋調査士(ADR認定土地家屋調査士)に限り、弁護士との共同受任を条件として、行うことができる。(土地家屋調査士会が運営する境界問題相談センター(ADRセンター)は全都道府県50か所に設置されています。)
※1~5の事務に関して、相談に応じること等も、業務に含まれます。
登記簿の甲区(所有権)、乙区(所有権以外の登記、抵当権等)を専門に扱う資格。土地家屋調査士は登記簿の表題部(所在、地番、地目、地積)を専門に扱う資格です。司法書士さんとは切っても切れない仲良し士業です。概ね全ての業務に関わります。
弁護士さんが扱う事件は多々ありますが、土地の境界(越境)の問題、土地、建物の時効取得及び、土地、建物の明渡請求に伴う現地調査等、弁護士さんからの依頼、相談もよくあります。土地家屋調査士からも弁護士さんには、越境物の取り扱いの覚書の作成等、色々相談に乗って頂いたり、時効取得等の裁判手続きをお願いしたりすることもよくあります。
税金と土地家屋調査士ってあまり結びつかないかもしれませんが、税理士さんとはよく関わります。相続税対策等で、クライアント様の所有する不動産の処分及び管理等で依頼、相談が多いです。もちろんこちらからも依頼や相談することも多いです。
最近は幅広い職域を活用して、大いに活躍されている行政書士さんです。土地家屋調査士と関わることが最近多くなりました。それまではこちらから農地の転用届など、お願いすることが多かったのですが、最近は相続手続きのコンサルティングとして活躍されている行政書士さんが多く、相続財産の不動産の未登記及び未処理に関するものを整理するために、依頼や相談が多いです。